しかし、人間の酒に対する味覚は日本酒度(糖度)だけでは決まりません。実際に口に含んで舌にまとわりつく感じや、のどこしの後味の具合などが大きく影響してきます。とくに酸味の量が酒の軽さ、重さの決めてとなります。酸度は清酒の場合、1.4程度が平均値とされていますが、酸度が多ければ「濃醇なロ当り」となり、酸度が少なければ、「より淡麗の味わい」となります。
味覚の面からみると酸度が多ければ「辛ロ」に、酸度が少なければ「甘ロ」に感じるように働きます。例えば吟醸酒は一般に糖類が少なく日本酒度はプラス(辛ロ)となりますが、酸度が低いので口当りは甘く(さっぱりした)感じられるものが多いです。
要するに酒の味は「甘、辛、酸、苦、渋」の5つの味のバランスによって決まるといってよいでしょう。あとは飲み手の気使い。飲む人の体調や嗜好、飲む温度、肴との相性、雰囲気などによっても味覚は変わってきます。この微妙さが酒の味わいをより深いものにしているのではないでしょうか。 |