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生命の水
 酒類は製法上から、醸造酒、蒸留酒、混成酒の3つに大別されています。
 蒸留酒は、発酵によってできた酒(醸造酒)をさらに蒸留してつくるアルコール度数の高いお酒です。蒸留技術は錬金術師たちによって紀元前二千年頃、メソポタミアに生まれたといわれています。この知識と技術が地球の西と東に向けて長い年月をかけて伝達され、各地へと広がって行きました。酒(醸造酒)を蒸留することは、その技術が発見された当初より考えられていたようです。
 中世に入ると錬金術師たちによって、その技術が高度化し、確立され、たくさんのアルコールが生産されるようになりました。こうした蒸留酒を彼らはアクアヴィテ(Aqua-vitae)=(生命の水)と呼び、これが現在のいろいろな蒸留酒の語源となっています。ウイスキーは発祥の地、アイルランドの言語でウィシュクヴェ一ハ(Uisqe-beatha)=(生命の水)が語源で、これはゲール語です。
 
 ブランデーの名前の由来
 ブランデーという言葉は、オランダ語のブランデウェイン(Brandewijn)やドイツ語のブラントヴァイン(Brantwein)《共に焼いたワインの意》がその名前の由来ですが、フランスではブランデーも含めた蒸留酒のことをオー・ド・ヴィ(Eau-de-Vie=生命の水)と呼んでいます。
 そして特に指定されたワイン銘酸地のブランデーをオー・ド・ヴィ・ド・ヴァン(Vin)と呼び、品質の優れているコニャック地方とアルマニャック地方でつくられるグレープ・ブランデーは、前者の産をオー・ド・ヴィ・ド・ヴァン・ド・コニャック(Cognac)、後者の産をオー・ド・ヴィ・ド・ヴァン・アルマニヤック(Armagnac)といい、略してコニャック、アルマニャックと呼んでいます。粕取りブランデーのマールはオー・ド・ヴィ・ド・マールといいます。またスピリッツでは語源であるラテン語のアクアヴィテがそのまま変化したアクアヴィットが北欧でつくられています。
 ウォッカもロシア語のジーズナヤ・ヴァダ(Zhiznennia Voda=生命の水)のヴァダ(水)が変化したものといわれています。

 このようにいろいろな蒸留酒の語源が一様に「生命の水」といわれていることは、取りも直さずその起源が同じところに起因しているといえるでしょう。そしてそれが錬金術の伝播と密接に関わっていたことを物語っています。
 
文●カクテル・アーティスト 吉田 貢(Y&MBar KISLING)
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